プログラマ:小森祥弘

バトルの速度について

皆様、こんにちは。

プログラマの小森祥弘です。

今日はバトルの速度について書きます。

『新・世界樹の迷宮』ではバトルの演出速度を詳細にカスタマイズできるようになっています。
OPTION.jpg

MESSAGEの項目で画面上部のメッセージが自動で送られる速度が設定できます。
ゆっくりメッセージを確認したい人はPAUSEに設定すれば、自動で送られることはなくなります。

ANIMATIONの項目では敵3Dモデルのアニメーション速度やエフェクトの再生速度が設定できます。
これは従来の世界樹の迷宮シリーズにはなかった機能で、この機能により速度を劇的に上げられるようになりました。

また、AUTOの項目ではオートバトル時の速度が、SKIPの項目ではAボタンを押している間のアニメーション速度がそれぞれ設定できます。
個人的にAボタンを押さないと速くならないのが面倒に感じることもあったので、
通常時、オートバトル時、Aボタン押下時と個別に設定できるようにしました。

それではまずNORMALのバトルです。




続いてSONICです。



NORMALでは10秒以上かかっているバトルが、SONICでは2秒しかかかっていません。
4倍以上の速さです。

もちろん演出は速ければ速いというものではありません。
SONICは自分の感覚ではむしろ速すぎです。
3Dモデルの攻撃アニメーションや死亡アニメーション、ダメージエフェクトなどが短い時間ですが表示されているので、
情報的に何となく大まかな流れはわかるのですが、やはり見栄え的には若干荒くなってしまいます。
しかし、これは自分の性格上、また皆様の中にも共感していただける方もいると思うのですが、
速すぎる設定があった上でちょっと遅くしてちょうど良くならないと客観的な速度が全く同じでも満足できないのです。
ですので、SONICまで実装はしましたが、個人的には通常時はNORMAL、Aボタンを押したらFASTに設定してプレイしています。
(Aボタンを押すのが面倒なので押さなくても速くできるようにしたのですが、結局今まで通りの設定を使っています。)

またバトル中でもオプションを変更できるようにしましたので、
普段SONICでやっていていきなりFOEにぶつかられても大丈夫です。

今作より、バトル中にキャラクターがしゃべるようになり、テンポが落ちることを懸念している方もいるかもしれません。
バトルの演出がボイスを待つことは基本ありませんので、ご安心ください。

発売が近くなってきました。
皆様にプレイしていただく日を楽しみにしております。

第1回:Sid Meier's rule of making sequels

皆様、こんにちは。

「新・世界樹の迷宮 ミレニアムの少女」メインプログラマの小森祥弘です。
世界樹の迷宮シリーズには世界樹の迷宮Ⅱ、Ⅲ、Ⅳと携わってきました。

「新・世界樹の迷宮」のプログラムは「世界樹の迷宮Ⅳ 伝承の巨神」の
開発終盤からⅣのプログラムをベースとして作成しました。
プログラムのソース的には1/3ぐらいⅣをそのまま使用し、
1/3ぐらいは調整や改良を行い、
残りの1/3ぐらいは新規に作成しました。

シド・マイヤー氏が続編を作成する上でのルールとして
"one-third proven, one-third improved, and one-third new"
(1/3はすでに証明されているもの、1/3は改良されたもの、1/3は新しいもの)
のような割合にすると良いと言っていますが、ちょうどそのような割合になりました。

「新しいもの」にあたる部分は基本的にゲームとして新しい要素を追加した部分になります。
グリモア、ギルドハウス、ムービー、ボイス、漢字入力、新規職業やスキル、
ダンジョンギミックなどゲームとして新しい要素は新しくプログラムを書きました。

新しい要素を新規にプログラムするのは当たり前なのですが、
今作では特に「改良されたもの」の部分に力を入れることができました。

世界樹シリーズは長く続いているシリーズではありますが、
自分の関わってきた範囲では基本的にプログラムはタイトルごとに作り直しでした。
ⅡからⅢの場合は、プログラム開発が外部の会社から社内に変更になったため、
ⅢからⅣの場合はハードがDSから3DSになったためプログラム的には大部分を作り直しました。

今作「新・世界樹の迷宮」ではストーリーベースのゲームにしたことで
プレイ感覚は新しくなりましたが、ハードが3DSのままであるため、
Ⅳのプログラムのベースの部分はちゃんと動くことが証明されている状態でゲームの作成を開始することができました。

そのおかげで今作ではより詳細なところまでクオリティアップを図ることができました。
例えばⅣでは地図に全く変更を加えなくても、必ずセーブされていましたが
今作ではセーブ時間の短縮のため地図に変更がなければセーブしないようにしました。
また、バトル中でもオプションを開いてBGMや戦闘速度の変更ができるようにしたり、
ゲーム中どこでもオプションからタイトル画面に戻れるようにしたりしました。
立体視表現も施設やキャンプなどの2D部分、迷宮やバトルなどの3D部分ともに
より見やすく、臨場感が出るように調整しました。

その他にも自分が考え付く限りのクオリティオブライフ的な改良は実装しました。
危険な樹海も快適に探索できるようになっていますので、是非プレイしてみてください。

※シド・マイヤー氏の引用は以下のサイトからです。
最初に読んだのはhttp://www.gamasutra.com/か何かのインタービュー記事だった気がします。